『笑う大天使(ミカエル)』が映画化される。
私は、日本映画を端っからバカにしているところがあるので、見るつもりは全くないのだが…。
上野樹里は、良い女優(の卵)だと思う。
『てるてる家族』の三女役も悪くなかったし(四姉妹の中で一番下手だと思ったけどね。身体が硬いんだよ。ストレッチくらいちゃんとやりなさい)、見てないけど『スウィングガールズ』の評判も良かったようだ。
で、『笑う大天使』である。
なぜ今、このマンガが映画化されるのかよく分からない。
川原泉が流行ったのは、もう10年以上も前のこと。
今読んでも、みんな良い作品だと思うけど、何で今、映画化なんだ?!
このマンガは、三人の女子高校生を主役とするコメディ中編一作とそれぞれを主人公にした短編三作で構成されている。
今回映画化されるのは、コメディ中編部分(のようだ)。
これがまたビミョー。
川原泉のファンでない人が読んでも、それなりに面白いと思うけど、それ以上の話ではない。
『笑う大天使』が傑作なのは、短編三部作がそれぞれすばらしく、そして最後の最後のコマがすばらしいからなのだ。
そこをはずして、(あえて言うと)凡作の中編コメディ部分を映画化してどうしようと言うのだろうか?
はたまた、監督とプロデューサーに問いたい。
あの傑作三部作をはずす意図と勇気はどこにあるのかと。
(私が当事者なら、短編三部作の連作で一つの映画にしますがね)
やる気のなさは女優のインタビューからも伝わる。
上野樹里がインタビューに対して「原作は読んだことありませんでした。撮影が終わってから読んだらけっこう面白かったです」みたいなことを言っているのを聞いて、どこからつっこんだものかと怒り心頭。
まず、主演するなら原作くらい読みなさい。
コミック全三巻でしょ?
一時間もあれば読めるよ!
自発的に読まないなら、監督かマネージャーかが読ませるもんじゃないの!
それが大人であり、プロとしての役割じゃないの?
一歩譲って、監督が「原作のイメージに引きずられたくない」とか言う意図もあって、女優が原作を読まないことを助長したとする。
しかし、PRの場でこのコメントはないだろう!!!
原作への尊重の念などというきれい事を言うつもりはない。
事情は知らないが、メディアミックスビジネスである以上、「映画を見てくださいね。原作もすばらしいから読んでくださいね」と言うのが、またそう言わせるのがプロじゃないのか?
事務所とこのビジネスのPR担当は何をやってるんだ?!
はあ、こんなでたらめな映画化が成立してしまうのは、コンテンツが供給チャネルに対して足りないからなんだよね。また、そこに余っている投資マネーが、甘々の期待感でじゃぶじゃぶと流れこんじゃうから何だよね。
つまり、コンテンツバブル。
『ハチクロ』も心配だな。
今月号のコーラスを読むと、変に話を詰め込みすぎ。
察するに、映画化に合わせて連載のクライマックスを持ってくることが決まっていて、駆け足でフィニッシュに持って行かざるを得ないんだろうな。
映画は映画として別物として考えてますが、そのビジネスの関係でマンガの連載に悪影響を与えるのなら、断固抗議したい。
まあ、こうしてまたダメな映画ができて、せっかくの才能が勘違いしてつぶれていくんだろうな。
『笑う大天使』は、原作が手堅いので、そんなに失敗はしないと思う。
だけど、その本当の良さは全然出ないで、一年もすれば忘れられる作品になりそう。
『ぼくんち』みたいな感じに。