政府が音頭を取っているからなのか、他にめぼしい産業ネタがないからなのか知らないが、自治体がコンテンツ産業の育成だとか活性化だとか言っている。
コンテンツで産業の活性化を図るんだそうだ。
(今回はちょっと品が悪いです)
で、映像プロダクションを育成するとか言っているのを聞くと「バカじゃねーの」と思う。
言ってる意味が全然わかんないね。
映像プロダクションに落ちてくる制作原価、知らないのか?
元の予算の3~4割くらいのもんで、後は中間マージンではねられてるんだよ。
産業とか地域経済への波及効果とかをねらってるんなら、儲かるところを取らなきゃダメでしょ。
ファンドとか制作委員会を立ち上げるとか、つまり「プロデューサー」のポジションを取らないと儲からないんだよね。
具体的に言うと、角川春樹(笑)とか奥山良和(笑)とか西崎義展(笑)とか。
あるいは電通のポジションに取って代わるんだったら儲かる。
県とか市が、角川春樹(笑)とか西崎義展(笑)とかアントニオ猪木(笑)みたいな「狂人」と互して交渉できるわけはない。
だって、この人たちまともじゃないもん。
理屈もへったくれもなくて、自分の夢(笑)がただあるだけ。
その夢に都合良く酔って、どんな汚いことでもできちゃう。
だから、あの人たちは御殿に住めるし、その反面、刑務所の塀の向こう側に落ちちゃうこともある。
まあ、そう言う人たちと交渉したり、取って代わったりするのは、端から無理だと保身のための直感も働くのだろう。最初から、このジャンルへの参入は考えてないようだ。
で、プロダクションの育成というルートが、何でか知らないがすでに決まっているみたいだ。
なんとかコンソーシアムだとかクラスターだとかがいっぱい作られて、ああでもないこうでもないと会議しながら、同じようなレポートを書いている。
バカじゃないの!?
そのコンソーシアムとかクラスターの維持費用で、プロダクションなんていくつも作れるよ。
あるいは、その予算ですでにあるプロダクションに仕事出した方がずっと有効。
1000万円単位の金があるんだったら、現場に直接突っ込めばいいじゃないか。
現場の人間は喜んで働くと思うよ。
ただし、どんなものが上がってくるかは保証しないけどね。
それをコントロールするディレクターもプロデューサーも地方には「いない」からね。
できあがってくるものがどうなるかは、一か八かの賭になっちゃうのは確かだ。
(でも、角川春樹(笑)とか奥山良和(笑)とか西崎義展(笑)に依頼するよりはマシだと思うけどね。もっともこの人たちを動かすには桁が二つ足りないが)
でも、それで良いんじゃないの。
もし、コンテンツ産業の育成に、自治体が手助けできることがあるとすれば、金を出すことくらいで、口を出せることははっきり言えるけど全然ない。
映像の現場なんて、好きでやってるんだから。
と言うか、好きでないと続かない。
もう、一種の「業」だよね。
任天堂とか京アニがあるから、京都がモデルケースの一つらしいけど、あの人たちは「おもしろいゲームを作りたい」とか「良いアニメを作りたい」と思っているだけで、京都の町おこしをしようと思ってるわけじゃない(と思う)。
クリーションというのは、理屈には還元できないところがあって、そこがおもしろくもあるし、怪しい分野でもあるのだが、ばかげた情熱が要る。
だから、薄給でも働き続けられるんだよね。
まともではできない分野なんだよな。
今でこそ大家の扱いだけど、宮崎駿が『カリオストロの城』を外した(映画上映時は失敗興行だった)ころのインタビューとかを雑誌のバックナンバーで見ると、ただのアニメ職人バカ(←誉めてます)なんだよね。
当時はまだアニメーターだった安彦良和は「オリジナルビデオという企画が当たるかどうかは全然分からない」とか言いながら、要は「やりたいからやる」みたいなことを言ってる。
押井守は監督デビュー作である『オンリーユー』を宮崎駿からけちょんけちょんにけなされて、奮起して『ビューティフルドリーマー』と言う傑作をものにしたと同時に、原作者である高橋留美子に怒られて(それが直接の引き金かどうかは書いてないけど)、シリーズを降板してぶらぶらしてたりしてる。
同じ頃、庵野秀明は『帰ってきたウルトラマン』を自作自演で撮ったりしてるわけだ。
堀井祐二は自分やりたいようなゲームを作ってみたかったから『ドラゴンクエスト』を作ったわけだ。
今週号のヤングサンデーで島本和彦が、この頃の雰囲気を書いているけれど、変な情熱にあふれた時代で、それが四半世紀経ってビッグビジネスになるなんて、全然考えもしなかったよ。
それは、宮崎駿も押井守も庵野秀明も堀井祐二にしても、たぶんそう。
こういう才能を見いだして、自治体が金を出せるかと言ったら、そりゃあ絶対無理だ。
それこそ、神ならぬ身ではないのだから、そんなことは無理だし、自治体には向いてない。
それが分かんないんだろうか?
いや、たぶん分かってるんだろうな。
だから、明確な成果判定のされにくいコンソーシアムとかクラスターとかやってるんだよな。
で、「クラスター芸者」として座敷を維持してるだけなんだろうな。
何が書きたかったかというと、この
「クラスター芸者が嫌いなんだ」見苦しい。
自分では何も生み出さないし、生み出そうともしないし、その情熱もない。
絶対にリスクを取らないこの寄生虫みたいな連中が気持ち悪いと愚痴をこぼしたかったのです。